上映スケジュール
8月21日(金)〜8月22日(土) 23:00〜翌6:15(予定)
『午前0時のフィルム映写会〜ヤスミン・アフマドとエドワード・ヤン“夏の想い出”特集』
【ヤスミン・アフマド(1958-2009)】
 マレーシア新潮と呼ばれた現代マレーシア映画の牽引者。世界に注目され日本でも熱烈なファンが生まれつつあった矢先51歳で亡くなった。残された長編映画は「ラブン」「細い目」「グブラ」「ムクシン」「ムアラフ 改心」「タレンタイム」の6本、いずれも宝石のような素晴らしい映画ばかり。今回上映する作品は監督の自伝的映画である“オーキッド年代記”から最初にヤスミンの名を世に知らしめた「細い目」と続編「グブラ」。

【エドワード・ヤン 楊徳昌(1947-2007)】
台湾ニューシネマ幕開けとなったオムニバス映画「光陰的故事」(1982)の一編で監督デビュー、その後ホウ・シャオシェン(侯孝賢)と共に世界的に注目された現代台湾映画を牽引した。長編映画は7本「海辺の一日」「タイペイ・ストーリー」「恐怖分子」「牯嶺街少年殺人事件」「エドワード・ヤンの恋愛時代」「カップルズ」「ヤンヤン 夏の想い出」、今なおリバイバル上映され愛され続けている。今回上映する「ヤンヤン 夏の想い出」は59歳で惜しまれつつ亡くなったエドワード・ヤンの遺作。


細い目
Sepet
2004年 マレーシア 107分 35ミリ
監督: ヤスミン・アフマド
出演: ン・チューシオン、シャリファ・アマニ
フィルム提供: 一般社団法人コミュニティシネマセンター
“金城武命”の17歳のマレー系少女オーキッドと中華系の海賊版ビデオCDを売るジェイソンは“運命”の恋人として出会う。メイドも家族の一員のように仲睦まじいオーキッドの家族と裏社会とつながりのあるジェイソンと中華系の家族。民族も言語も宗教も多様なマレーシアの異なる民族のボーイ・ミーツ・ガール。永遠の瑞々しさを湛える青春映画の傑作。

細い目
グブラ
Gubra
2005年 マレーシア 113分 35ミリ
監督: クヤスミン・アフマド
出演: シャリファ・アマニ、アドリン・ラムリ
フィルム提供: 一般社団法人コミュニティシネマセンター
映画は二つの物語が平行して進む。夜明け前の礼拝からはじまるビラル(モスクの管理人)と娼婦たちの物語、そして「細い目」から7年後のオーキッドの物語。オーキッドの父の入院先にはかつてのジェイソンの父も入院しており、そこでまた新たな出会いがあり物語が生まれる。また一方の娼婦たちの物語に鋭く描かれる社会の暗部はこの映画をより深いものにしている。

グブラ
ヤンヤン 夏の想い出
YI YI : a one & a two
2000年 台湾・日本 173分 35ミリ
監督: エドワード・ヤン
出演: ウー・ニエンジェン、ケリー・リー、ジョナサン・チャン
配給: バサラ・ピクチャーズ
小学生のヤンヤンは人の頭の後ろを写真に撮ったり、泳げないのにプールに飛び込んだり、おかしなことばかりしているようでも彼なりの哲学を持っている。映画はヤンヤンの家族と周囲の人々を描きながら、人と人のかけがえのない時間の共有と儚く消えてしまいそうなささやかな出来事がどれだけ美しく心に残るかを教えてくれる。すべての場面が愛おしい映画。

ヤンヤン 夏の想い出
©1+2 Seisaku Iinkai
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