上映スケジュール
7月24日(金)〜7月25日(土) 23:00〜翌6:10(予定)
『午前0時のフィルム映写会〜タランティーノ監督特集』
【クエンティン・タランティーノ】
 28歳のデビュー作「レザボア・ドッグス」(1992年)がサンダンス映画祭、カンヌ映画祭で上映されるや、低予算映画ながら抜群に面白いストーリーテリングとスタイリッシュな作風で、当時のアメリカ映画からギア・チェンジした若々しい新しい可能性を持った映画の登場と絶賛された。以後「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」「キル・ビルvol.1/vol.2」「デス・プルーフinグラインドハウス」「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」と新作が発表されるたびに大きな話題をよび、「タランティーノ以前・以後」があるほどアメリカ映画にとどまらず世界の映画文化への影響力は絶大。なお「キル・ビル」は権利切れ間近、フィルムで完走する最後のチャンスになるかもしれません。


キル・ビル
KILL BILL:VOL.1
2003年 アメリカ 113分 35ミリ
監督: クエンティン・タランティーノ
出演: ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ソニー千葉
配給: ギャガ
タランティーノ初期のミューズ、ユマ・サーマンによる最強のヒロイン映画。日本のサムライ映画、ヤクザ映画のほかカンフー映画やマカロニウエスタンなどB級アクション映画へのオマージュが散りばめられた2部作のタランティーノ活劇巨編。ソニー千葉こと千葉真一が日本刀の鍛冶師として登場し、梶芽衣子の「怨み節」が流れ、劇中アニメも「攻殻機動隊」を製作した日本のプロダクションI.Gが製作したもの。

キル・ビル
キル・ビルvol.2
KILL BILL:VOL.2
2004年 アメリカ 136分 35ミリ
監督: クエンティン・タランティーノ
出演: ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ
配給: ギャガ
「VOL.1」は“ザ・ブライド”ユマ・サーマンと“オーレン石井”ルーシー・リューの対決が山場であったが、「VOL.2」は復讐リストに残る3人、ビルの弟“バド”マイケル・マドセン、片目の女殺し屋“エル・ドライバー”ダリル・ハンナ、そして“ブライド”のかつての愛人にしてボス“ビル”デヴィッド・キャラダインと戦う。とりわけ五点掌爆心拳の師匠パイ・メイに伝授された“突き”による棺桶破りの場面は感涙物。

キル・ビルvol.2
イングロリアス・バスターズ
INGLOURIOUS BASTERDS
2009年 アメリカ 152分 35ミリ
監督: クエンティン・タランティーノ
出演: ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ
配給: 東宝東和
第二次大戦中のナチ占領下のフランス、“ユダヤ・ハンター”ことナチス親衛隊のハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)は隠れ住むユダヤ人一家を虐殺するが、娘のショシャナ(メラニー・ロラン)は生き延び、その後パリの映画館を継いだ館主となって再登場する。一方“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)”率いるアルド・レイン米軍中尉(ブラッド・ピット)はゲリラ部隊としてナチスを襲い“アパッチ”さながらに頭の皮を剥ぎ取って恐れられていた。国民の英雄となったナチス狙撃兵フレデリック(ダニエル・ブリュール)の武勇を称えるプロパガンダ映画「国民の誇り」がショシャナの劇場でプレミア上映されることとなり、ヒトラーほかナチス高官が一堂に会するのを絶好の機会と連合軍の劇場爆破計画が進む。エンディングをどうするかで悩み続けたタランティーノはこれ以上ないアイデアを思いつく。可燃性フィルムによる炎と煙に映し出されるショシャナのクローズアップは映画が在るか無きかの危うさの中でより美しく鮮烈に立ち現れることを映画史に残した。

イングロリアス・バスターズ
©2009 Universal Studios.
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