上映スケジュール
9月18日(金)〜9月19日(土) 23:00〜翌5:30(予定)
『午前0時のフィルム映写会〜ビリー・ワイルダー監督特集』
ビリー・ワイルダー(1906−2002)はナチスから逃れてハリウッドへ渡った欧州映画人の一人。脚本家時代を経て監督となったが、彼の作品には大きく二つのジャンルがある。一つは映画の師であるルビッチから受け継いだ“ロマンティック・コメディ”、そしてもう一つはヒッチコックばりの“ミステリー・サスペンス”。いずれも脚本台詞が大きく物を言うエンタテイメント。26本の監督作全て本人が共同で脚本を書き、自らは職人監督であることを自負していた、ハリウッド随一のストーリーテラーでヒットメイカー。


情婦
WITNESS FOR THE PROSECUTION
1958年 アメリカ 117分 35ミリ
監督・脚本: ビリー・ワイルダー
原作: アガサ・クリスティ 
出演: マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロー
配給: 東宝東和
映画のエンドクレジットの後に「結末はばらさないように」という注意が入るどんでん返しの法廷劇。撮影中からラストは秘密にされて映画の宣伝にも使われた。マレーネ・ディートリッヒはドイツ出身のグレタ・ガルボと並ぶ世界的映画スター。チャールズ・ロートンは英国を代表する名優らしくユーモアあふれる弁護士を好演している。検察、弁護、証人などそれぞれの立場からの論理的な台詞の応酬による“法廷劇”は脚本家兼監督のビリー・ワイルダーの腕の見せ所。 なお原題の“WITNESS FOR THE PROSECUTION”は“検察側証人”という意味。

情婦
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昼下りの情事
LOVE IN THE AFTERNOON
1957年 アメリカ 130分 35ミリ
監督・脚本: ビリー・ワイルダー
共同脚本: I・A・L・ダイアモンド
出演: オードリー・ヘップバーン、ゲイリー・クーパー、モーリス・シュバリエ
配給: 東宝東和
パリを舞台にオードリー・ヘップバーンが大人の恋に憧れる箱入り娘を、ゲイリー・クーパーが中年のプレイボーイを、モーリス・シュバリエが私立探偵を演じるロマンティック・コメディ。クーパーもシュバリエもルビッチ映画で洗練された役はお手の物。とりわけ娘を思う父親を演じるシュバリエは素晴らしい。また共同脚本家I・A・L・ダイアモンドと初めてコンビを組み、以後ビリー・ワイルダー後半の傑作群を生み出していく。

昼下りの情事
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サンセット大通り
SUNSET BOULEVARD
1950年 アメリカ 110分 35ミリ
監督・脚本: ビリー・ワイルダー
共同脚本: チャールズ・ブラケット
出演: グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン
配給: パラマウント
グロリア・スワンソンがまるで自らを演ずるように、かつてのハリウッド大女優が“サンセット大通り”の今は廃墟のような大邸宅に隠れ住み、栄光のスターの座へ返り咲くことを夢見て若いB級映画の脚本家を雇い、決して映画化されることのない“サロメ”の脚本を書き直させる。妄想と狂恋の果てに亡んでいく悲痛な姿はハリウッドを興したサイレント時代の巨星たちと重なる。従順な執事をあのE・V・シュトロハイムが、パラマウント・スタジオの監督をC・B・デミル本人が、そしてワイルダー自身の分身ともいえる若い脚本家をウィリアム・ホールデンが演じる空前絶後の映画。

サンセット大通り
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